家族とともに産むということ

お産カーニバルも終わり、立冬も過ぎました。今年は例年よりあたたかな冬の始まりです。でも枯れ葉は例年通り舞い散り、掃除が大変です。先週の土曜日は、保育から帰ってきた子供たちが枯れ葉を集めて燃やし、「焼き芋」を作っていました。とても美味しく出来たそうで、今週もまたあてにしてくるのでしょうね。サツマイモを用意しておきましょう。それに、子供たちが枯れ葉を集めてくれるのでこちらは大助かりです。なにしろうんざりするほど大量です。

お産カーニバルは年々、お父さんたちの参加が増えているようです。20年ほど前は、ほとんどママたちだけの参加で、お疲れのママの為に整体コーナーがあり、スタッフが子守をしてあげていました。今は家族で見える方達が多くなり、赤ちゃんはパパが抱っこしています。特に今年は「パパの育休」の普及活動をしている方々の講演もあったので、尚更だったと思います。

ここ数年、病院では麻酔で出産を経験される方が多くなりましたが、真逆の助産院では、多くのママはパパの見守りを受けて出産されています。事前に夫婦でお産の練習をするので、パパ達も前向きに応援しています。出産という命がけの現場で、二人で乗り越えていく様子は、子育ての時もお互いを配慮し、子供を育てていく姿勢にもつながっていけると思います。いろいろな動物がいるように、人間にもいろいろな夫婦がいて、子産み子育ての現場も様々だと思いますが…..。

私も74歳になり、体もやや不自由を感じてはいますが、この出産の現場に立ち会えることは、本当に幸せなことだと思います。産婦さんの息づかい、汗、手の力のすごさ。「大丈夫かな、産めるかな….」の問いかけに「大丈夫だよ、産めるよ」の夫の声。お互いの気持ちの余裕がなくなったナと思った時は、少し休んでもらったり、離れてもらったりするのは私たちの仕事で、とにかく二人(時には3人)の家族の場所を邪魔しないように見守ります。途中、お風呂に入りホッとしたような瞬間、空気も和んで「撮ってとって、とってあげて」ママの笑顔、苦しいことばかりではないお産….記憶にとどめておきたい時間です。

陣痛に立ち会った「ママのお母さん」が言っていました。「自分は介護職です。日常の仕事をついつい能率的にやってしまいがちですが、娘の出産しているところを見ると、一人一人こうして生まれてきたんだと思えて、あー大事に接していかなければと思いますね。」

先日、初産婦のMさんおお産がありました。破水からはじまり、パパと一緒に頑張りましたが産道がせまくてとても時間がかかり、赤ちゃんもうまく降りてきてくれません。最後は赤ちゃんの回転がうまくゆかず、破水からの時間も長くなったので、病院へ搬送になってしまったけれど、その夜、パパの「赤ちゃん生まれた」という弾んだ声の知らせに本当に嬉しかったです。夫婦で頑張ったね。濃い時間をありがとう。どんな趣味より(趣味らしい趣味のない私ですが)、旅行より、私に喜びを与えてくれる瞬間です。 (齋藤弓子)

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