6月の最後の日
入院さんは誰もいません。静かな日曜日です。
「ねむの木」ホールの前庭のねむの花が、もう3週間も咲き続けています。心なしか今日は花も大きくなったように見えました。毎日カーテンを開けるのが楽しみです。朝4時頃は掃除をしながらカーテンを開けるのですが(今はもう明るい)、ピンクの孔雀のトサカのような花が無数に咲いていて、幸せな気分になります。
それから午前中は畑の草むしりを3時間くらいやって(風があってあまり汗もかかず頑張れた)、午後から七夕かざりを作りました。近くに住んでいる孫娘のひいちゃんが「飾って!」と輪飾りを置いていったので、お父さんに手頃な笹を取ってきてもらって玄関にかざりました。
お昼に安藤さんがやってきて、初産婦さんの自宅分娩を扱った話をしていきました。30時間くらいかかって大変だったようですが、無事に生まれてホッとしているようです。いろいろ経験して勉強させてもらっていると言っていました。
そして夫と産後ケアなどの書類をやってくれている保育の友さんが1日頑張って市町村に提出する報告書を作ってくれました。お昼は二人で納豆どんぶりを食べました。質素な丼ものですが、友さんは「初めて食べたけどおいしいね」と言っていました。亡くなった夫の母に教わりましたが、私の子供たちも大好きでした。
明日から7月です。お産の予定は3件しかありません。夕方、夜勤で来た金子さんに「大赤字だね」と言うと「質素にくらそう!」との答え。3人のお産はどんな風でしょう。一人一人違います。大事に向き合って、その人らしいお産ができ、新しい人に会える瞬間を共に味わいましょう。これが一番大事です。ピーク時150件くらいあったお産が2011年の震災の後、ガタッと減って100件以下に落ち、お金のやりくりが不安になり寝付けなくなったことがありました。分娩数の減少も、無痛分娩の増加もどうしようもない流れです。古い控えめなホルモン「オキシトシン」は女の人の体の中で十分に発揮されることなく、お産も育児の出発も過ぎていってしまう時代が来ています。生理が来て出産があり、更年期がある私たち女性の体、それぞれと上手に付き合った、受け入れて人生を終える、そんな人たちが社会の下支えになっていた時代……それ以外を想像できない75歳の私です。
(齋藤弓子)