ノロノロ台風と8月のお産
ノロノロ台風情報に振り回されているうちに、今日は8月30日。朝起きて「冷房がついてる?」と見たけど止まっています。すごしやすい朝です。時々雨がすごい音で、しまい忘れた「こどもプール」に降っているけれど、その他は赤ちゃんの泣き声もなく静かです。
8月はお産は5人で、産後ケアも少なかったです。台風が来たのでその前後は外来も少なく、スタッフは夏休みをとる人も多く、ちょうど良かったです。初産婦さん2人、経産婦さん3人のお産でした。初産婦さん1人は体もきゃしゃで赤ちゃんがなかなか降りてこず、おみこしも2回やり、パパもものすごく頑張って私たちも力が入りましたが、最後に私があきらめて「救急車を呼ぼう」と決め、電話し、皆あわただしく動き回っていたら、ふと見ると左側臥位で着替えしている時、陣痛で頭がグッと来て、あれっ?いける!……その後は皆の大声援で鏡を見ながら力を振り絞って産むことができました。ママもパパも涙、涙….で助産院中が喜びに包まれました。本人は赤ちゃんが産まれた瞬間は「産みの苦しみ」を忘れたそうです。
もう1人の初産婦さんは6時間くらいでスムーズに産まれたのですが、本人は痛過ぎて「もう二度と産まない」と入院中は宣言していました。さて、どうなるでしょう。
経産婦さんたちはパパも夏休みで頑張ってくれ、上の子供たちのお泊まりはなしでした。赤ちゃんとママだけの時間を満喫していた様子です。
私事ですが、施設に入っていた17歳上の姉が92歳で亡くなりました。私とは母違いですが、すごく可愛がってもらいました。チャキチャキして手が器用で明るい人でした。姉がお嫁に行く時、私も晴れ着を着せられてかわいくしてもらったのですが、なぜか自慢のまつ毛を両方ハサミで切ってしまい、目が開けられず、涙がポロポロ…..皆に「お姉ちゃん子だったからね」と慰められました。それ以来「マッチ棒が乗った」自慢のまつ毛は普通のまつ毛になってしまいました。高校の制服も、看護学校に入った時の2枚のおでかけ着も姉が作ってくれました。歳をとると「想い出の中だけの人」が増えてきます。
夜が明けました。雷がゴロゴロ鳴って、災害注意報レベル4が発令されています。今日は大変そうです。
(齋藤弓子)