3月に思うこと

玄関の脇のコブシの花が満開です。畑の方も小さなスイセンの黄色い花がボコボコ咲いて「春が来たナア」という感じです。(でも昨日の朝、2階の診察室のカーテンを開けたら大山が雪化粧でびっくり。)

そんな中、40年くらい前から月刊誌を配達してくれていた「白井書店」さんが閉店することになりました。助産関係が3冊、産婦人科の月刊誌、そして「母の友」「たくさんのふしぎ」等。若い頃は4人の子どもの子育てと病院の仕事で目一杯、助産院を始めてからは24時間待機状態で外に出る機会があまり作れない私にとって、「社会の窓」としての雑誌たちです。本が来るとパラパラとめくって「勉強している」気になったり「お母さん」気分になったりしました。配達してくれる店主のおじさんも歳をとり、「店のシャッターが壊されたり」「コロナで客が来ない」「体もボロボロ」あともう一つ閉める理由を言っていたなー….。残念です。時の流れを感じます。4月からどうしようかな?

増築棟の「ねむの木のいえ」はできてから3ヶ月がたちました。初めは「大工さんたちの家」という感じでしたが、子どもたちが遊び、ヨガ教室が始まり、毎日カーテンを開けたり閉めたりしているうちに、なんとなく助産院の中という気分になってきました。2階の3室も、お客様が何組も滞在してくれて、皆さん喜んで使ってくれています。なにしろ広々して気持ちいいです。

分娩室の陶器のお風呂も、陣痛中に利用されて「気持ちいい」と喜んでくれています。すこし前に入院してきて「さむいさむい(その人は陣痛の時いつも寒くなるそうです)」と言っていた経産婦さんが、モニターが終わったあとお風呂に入り、あったかくなってリラックスしたせいか数回の陣痛で大きな男の子を産みました。(上は女の子3人)。ドアが2つあるので、お姉ちゃんたちやパパも片方のドア応援して(今までは折り重なるようにして狭いところで見ていた)とても楽しいお産になりました。そういう人もいれば、スムーズにいかないいかない人もいて、「お風呂で産みたい」と希望されて来て、モニターが終わってすぐお風呂に入ったけれど陣痛が強くならずに上がって、しばらくしてまた入って…..と3回くりかえしたけれどなかなか赤ちゃんが降りてこなくて、最後はお布団の上で力んで産んだ人もいました。思うようにはいかないのがお産かもしれません。

(齋藤弓子)

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