スッポン!

いつもどおりに桜が咲き、続いてりんご(クラブアップル)が咲き、そして今は白いオオデマリ、コデマリ、黄色い木香薔薇が咲いている助産院です。自然はいつも通りなのに、新型コロナウィルスの流行で世界中が大変なことになっています。

不穏な空気が流れ、外出規制(自粛)で海も山も(近くの里山公園はそうでもない)静まりかえっているようです。新聞やラジオ、テレビは連日、感染者数と死亡者数を一日中報道し、「おうち時間のすごし方」の工夫を教えています。知ってる(つもりの)有名人の死亡を何回も流し、その度に悲しい気持ちになります。助産院は閉鎖の規制からは外れていますが、おっぱい外来は8割減とまではいきませんが日によっては1人2人の日もあります。指示されたように薄めたハイターで要所要所を消毒し(そのうち塗装がはげるのでは?)、マスクをし、手洗いをし…。でも皆で食べる昼食はそのまま対面で(大きいテーブルだから距離はある)、窓を開け放って食べています。お産の方もお部屋の中に留まって、面会は家族だけということでお願いしています。助産院の子供たちは外で遊んでいます。遊具らしい遊具もないのですが、草はらの中を走り回って、おしゃべりして、ころげまわってとても元気です。まずは何よりも自分たちがコロナに感染しないよう、感染しても重症化しないよう、免疫力をつけて頑張りたいと思います。

今月のお産は9人でした。いつもは「どうして子宮口が開かないのかな」「なかなか赤ちゃん降りてこないな」、あーでもない、こーでもない…と動きまわって、どうにかこうにかなんとかお産になったねー…ということもけっこう多いのですが、今月はみんなとてもスムーズな流れでした。その中でも「ウーッ」と力みたい声が入ったと思うと2〜3回で「産まれましたア」というお産が何人もありました。あまりの早さに準備もなにも間に合わず、助産婦も「あっ、アタマ!」「アー!カラダも〜」スッポン!「オギャー」みんな大笑いでした。ちなみにこの方は前回はなかなか赤ちゃんが降りてこなくて、出血も多く、産後も尿が溜まって出ずに大変だった方でした。スタッフもそれなりに覚悟をしてお産に臨んでいたと思います。その後も何事もなく順調に4日過ごして早めに帰って行きました。本当に良かったです。ありがとうございました。    (齋藤弓子)

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コロナのなかで