朝日のあたる家

桜が咲きはじめ、庭のチューリップ(昨秋300球を植えた)がボコボコと花開いて、春休みの子どもたちが楽しそうに遊びまわっています。桜の下の菜の花は私の頭の中では黄色とピンクのコントラストで「いいなアー」とながめられるハズだったのですが、子どもたちの「菜の花のトンネル」「秘密基地」ということで、ぐちゃぐちゃにされてしまいました。でも、いつもはドングリや枯葉や土で汚れている「子どもの家」はびっくりするほど片付いて、ホーキまで置いてありました。何日か雨の日が続き、大勢の子どもたちが入って遊んでいたのできっとすごいことになっているなアと思ってドアを開けたのですが、意外でした。春休みのお兄さんお姉さん(小学生)の仕事でしょうか?

庭を一回りして家に入ると、夫がブラインドを開けていて、ちょうど朝日が顔を出すところでした。オレンジ色の太陽の光をながめながらコーヒーをいただきました。ここ数日はお産ラッシュで、今月は10人生まれ残りはあと1人です。このごろはお産の件数も減ってのんびり生活していたので、ここ数日の「あまり眠れず、三食はちゃんと作って、仮眠も取れず…」というパターンはかなり疲れました。昨晩は久しぶりにゆっくり寝て、こうして朝日を浴びてコーヒーを飲むなんて、「幸福」の限りです。

2月〜3月は、いつもは助産の学生さんは来ないのですが、コロナでなかなかお産の実習ができていないということで、急遽、聖路加国際大学院の1年生が2人づつ2週間×3回の6人がみえました。実習生の宿泊施設にしている「下の助産院」に今まで住んでいたクマちゃん一家がおうちを買って引っ越し、そこに沖縄から娘の出産で帰ってきた「恵ちゃん」(昔のお客さん)が住むことになり、引っ越しが重なってゴタゴタしていてこちらも余裕がなかったのですが、保育のスタッフが学生さんの受け入れお部屋の片付け・掃除など一切やってくれて、なんとか受け入れ可能になりました。学生さんたちはみんな真剣に取り組んでいるので、スタッフも来た当日から「フリースタイル出産」の準備と実習など、いつお産があってもいいように指導していました。でもお産はいつ来るかはわかりません。私が「今日は来ないよ」と言っても、緊張して電話を待っているらしい様子でした。今回は2週間づつという短期間なので体調を崩さずにすんだと思いますが、2年次の実習は6週間の長丁場なので、その間、風邪をひいたり寝込んだりする人が出て、気持ちを維持するのが大変だと思います。「待つだけ….って疲れるね。病院だったら決まっているのに…」と実習生さんがボソッとつぶやいていました。いつか「待つだけの後のすてきなプレゼント」に気づいてくれるかな。  (齋藤弓子)

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